2024年3月10日
年末に到着するはずだった歯科用の顕微鏡(マイクロスコープ)。
2024年に入り、ようやくマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)が到着しました。
国際歯周内科学研究会に所属し、位相差顕微鏡を導入しました。
位相差顕微鏡は、歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)とは別のものです。
歯周内科的治療を行う上で必要な機器なのですが、そもそも歯周内科というジャンルに対して非常に懐疑的でした。
なぜかというと、抗菌剤の濫用というイメージが強かったためです。
勤務医時代、歯周内科を何らかの形で学んだであろう院長が経営するクリニックでは、特定の抗菌剤が頻繁に使用されていたためです。
本来、抗菌剤はどの微生物に対して効果を求めるのか。ターゲットとなる微生物が何であるのかで選定します。
しかし、過去の勤務先ではその何に対してという概念がなく、もれなくジスロマックが処方されていました。
『抗菌スペクトル』という抗菌剤がカバーする範囲をもとに抗菌剤を選定するのが最も効果的です。
大学の口腔外科勤務の頃は、必ず細菌検査をオーダーし、膿などに含まれる微生物の内容を確認後、抗生剤の剪定や変更をしていました。
点滴による抗生剤投与の際は必ず皮内テストをし、アレルギーの有無を事前確認後、点滴投与を行っていました。
化膿して腫れている状態なのか、術後の二次感染予防目的なのか、それによって選ぶべき抗菌剤も異なります。
臨床では真菌が原因であろうと思われるケースを見かけます。真菌にペニシリンは効果ありません。
口腔内のカビ(真菌)はなぜか歯周病の成り立ちの図の中に登場しません。
実際に、情報の源流である学会の話を聞きに行ってみようということでまずはセミナーに参加してきました。
すると、抗菌スペクトルの話や、投薬前に検査は必要だということでした。
何だ!私と全く同じ考えではないか!
過去の勤務先の院長たちが勝手な解釈で適当な投薬をしまくっていたということでしかなかったのです。
(注:プロフィールには載せていない過去勤務先であったクリニックでの話です)
PCR検査もしていませんでしたし、鏡検(位相差顕微鏡で微生物の確認をすること)もしていませんでした。
で、何でもかんでもジスロマック!
「なんでこれを毎回処方するのですか?」と聞いてみたら「これが一番効くんだよ!!知らないの?」とのことで。。。
(ジスロマックなら知ってるよ、発売当初から。一番って何に効かせてるの??)
と思いましたがそれ以上の質問は避け、後日その患者が困ったままだったのでペニシリンを出しました。
抗菌スペクトルが広く耐性菌も出来にくいペニシリンで速やかに消炎しました。
そのままだと歯石まみれだったので同意を得て全顎クリーニングを行いました。
しかし、
勤務医時代に保険診療を行なっていた時は、抗真菌薬を使いたい時になかなか使えないというジレンマがありました。
国民皆保険の制度にはさまざまなルールが存在します。それを無視した出鱈目な請求をすると、後で指導が入り、3割が患者負担、7割が国から支払われる診療報酬から返金するようお達しが来ます。指導と呼ばれる監査日に呼び出され提出しなければいけない資料を持参します。
そこまでたどり着く間に膨大な事務作業が生じます。
歯科を保険適応になる国は日本ぐらいなものです。
理由は予防していれば大変なことにはならないですし、コストや手間がかかる分野なので国民皆保険制度の範囲ではないということなのです。
その点日本は恵まれていますが、実際はこういうことです。
『自由診療=サービス』ではないと考えています。
高価なサービスの提供ではなく、保険でカバーできない部分の医療なのです。
時々勘違いされている患者さんがいます。
当院で患者さんのことをお客様とは捉えていません。
あくまでも1患者と1歯科医師であり、一緒に目標達成をする共生関係だと考えています。
当院では予約のキャンセル変更は2営業日までとしています。
しかし、海外の会社のインビザラインなどは、治療計画作成にかかる時間や日数は時差や輸送の都合など日程を正確にお伝えしにくいです。
あらかじめおおよその日数をあけ予約を取っておいても間に合わないこともあります。
予約を取る時、マウスピースが到着したらこちらからご連絡し予約を取るか、おおよその日程で予約を取っておいて万が一間に合わなければご連絡するという形を取っています。
後者の場合、ギリギリまでマウスピースの到着を待っているので当院も予約時間をキープしています。
間にあうかどうかが前日や当日までわからない場合もあります。ギリギリまで待って前日のご連絡となります。その場合はこちらも痛み分けとなるわけです。
「もっと早くわからないの?2営業日前以降のキャンセルはキャンセル料取るくせに!それも含めてサービスじゃないの?」
とクレームを言われたことがありました。
この状況は痛み分けなので、この方のためにギリギリまで時間を確保しているの状況です。十分なサービスではないのでしょうか?
2週間きっかりで到着するとは絶対に言っていませんが、早くて2週間ほど遅くて4週間くらいかかる。毎回こう説明をしています。
それがいつの間にか「2週間って言ったのに」となってしまいます。
これは患者教育にもっと時間を割かなければならないということなのかと悩みました。
自分勝手な考え方はお互いにとって良くないことです。
患者さんはあくまでも患者であり、お客様は神様ではないのです。
必要以上のサービスは行いません。
以前はお待たせするような状況の時のみ受付のスタッフにお茶を出すよう指示していましたが、現在は行っておりません。
自動電話サービスを導入した理由は以下の通り。
⚫︎営業電話が1日に何度もかかってくる
⚫︎受付スタッフをおいても電話を全部持ってきてしまう。取引先からの電話でも名前や電話番号を確認してない、頻繁に聞き間違える、
⚫︎電話対応が苦手な人が多い。
教えたり間違いを指摘し修正を求めると落ち込んでしまうので同日に受付に2人以上スタッフを置く必要が出てしまう
⚫︎診療中にリスケの電話や遅刻の電話が鳴るとグローブを脱いで診療を中断やその他の仕事に集中できない
⚫︎来院前の方の電話による質問も意外と困りものです
見てもいない口の中の話を電話で聞かれても。。
こういうケースの場合他のクリニックの悪口や質より安いものを探している割に些細なことで文句を言う方が多いです。
カウンセリングに来院(もしくオンライン診療)していただければ拝見できるので詳しく説明ができます。
問診票などに記載があると、実際に見てなくても検討がつく場合も多くあります。
おおよその費用などはHPに記載ありです。
相談内容によっては診療行為に等しいことも多くその場合は本来オンライン診療ということになります。
電話診療は医科では保険でも自費でも有料です。
来院せずともオンラインで相談や診療を行えるように予約システムの入れ替えをしました。
正直入れ替えに伴い僅かに不自由になった点もあります。
それ以上にお互い便利になった点も多いはずです。
特に自動電話サービスは、予約や問い合わせに対する回答などの連絡もEmailよりも確認しやすいSMSで返信可能なサービスです。
SMSはIP電話を利用しているので送信専用です。返信内容は個々の問い合わせ内容にあわせて返信しています。
たとえ私が直接電話を受けたとしてもそれ以上の回答はないです。
直接電話をしてしまうと話が長くなったり、診療行為と同等になりますので現在は極力私が電話に出ないことにしています。
また、SMSが送信できない電話からの問い合わせやメールの受信ができない設定の方は、いくらこちらがSMS送信やEmail返信をしても受信できないので無視されたような状況になってしまいます。
そういう場合は『ご縁がない』と思っています。仮に通院する運びになっても、通院中コンタクトが取れないということになりませんか?
現在どこの業界、職種でも人材不足と言われています。
当院は採用コストと採用定着にかかる時間を大きくカットし、その分外部システムを導入しました。
また、マイクロスコープと位相差顕微鏡を導入しより精密で効果の高い治療やメンテナンスを提供します。
消毒や滅菌も手間をかけております。ディスポの使い回しもしておりません。それなりにしっかり手間も費用もかけています。
矯正のメンテナンスの方が多くいる日は1日6〜8人まで、矯正以外の治療の予約は1日2〜4人までです。
矯正のメンテナンスの方が1日の予約の途中に入っている場合、治療の予約を取れなくなる日もあります。
なのでインビザラインの到着が遅いとか文句を言われるのは私も人間なので正直不快に感じてしまいます。
診療機器導入に伴い診療内容充実もあり、初再診療の見直しを検討しています。
共生関係で一方が押しつぶされるのは関係性が成り立たないです。
今回のキーワードは矯正ではなく『共生』です。
元に戻ります。
口腔内の微生物は0にはなりません。
共生微生物の状態をコントロールすることで、さまざまな疾患から自分の体を守り育めます。
そのために全ての入り口である『口腔内のメンテナンス』は欠かせないと考えます。
状態によってはメンテナンスの頻度が1ヶ月毎であったり3ヶ月〜6ヶ月であったりします。
同じ人でも、体調、環境、ストレス、加齢変化によってもメンテナンスの頻度や内容は変わってきます。
卒後まもない頃から予防を専門に行っていくためのクリニックを作りたくてここまで歩んできました。
メンテナンスに関する設備が完成した今、診療費もあるべき料金に改定可能な時期かと思います。
メインで通う他のクリニックがあって、メンテナンスのみで通うような形もありだと思います。
保険診療のクリニックのメンテナンスには限界があります。保険のルールがありますし同じ時間に何人も予約を入れておく必要があります。
4月からクリーニング、メンテナンス、予防のメニューを大幅改変します。3月はその最終準備期間です。
1年間コースの歯科ドックメニュー⇨メンテナンス(治療が必要な場合治療を行いその後メンテナンスメニューへ移行)
歯列矯正は、予防の一部だと捉えています。
歯並びの前に歯の掃除が最重要です。
若い年齢の方で意外と多いのは、プラーク(歯垢)や歯石だらけで歯茎が腫れたまま。
もちろんマスク越しでも感じられるレベルの口臭もします。
それに気づいていないのか過去に通院した歯科で指導されても聞いていないのか。
「前歯だけ歯並び治したいです。」
(この状態でこれから結婚して妊娠するのかな?それは多面的に絶対良くないよね。)
矯正治療中の虫歯治療や歯周病治療は保険適応外という国で定めたルールがあります。
それを無視した人気取り重視の歯科医院もあるのが現状です。
国に報告がいくともれなく診療報酬の没収とその他の処分が下されます。
医療を提供する側もされる側もルールに従う必要があります。
そして忘れてはいけないこと、それは世界レベルでは歯科治療を国民皆保険で受けるのが当たり前ではないということです。
当院は全て自由診療のため、保険診療について聞かれても「当院では取り扱っていません」と回答するのみです。
過去の勤務先で運悪く何度か指導の現場に遭遇しました。ルールを守っていないから後々大変になるんです。
その苦い経験と、さらに追い打ちをかけるかのようなマイナンバー制度に伴うシステム導入とその維持費が馬鹿にならないことから
国民皆保険制度の下に行われる歯科治療、通称『保険診療』は一切行わないこととしました。
自由診療のみであることはHPに記載されていますので理解した上で通院していただきたいです。
歯周初期治療や重度歯周病に必要なフォローが必要な方は、矯正費用には含まれていないので別途費用がかかります。
当院矯正で通院中の方は2割引での提供です。
位相差顕微鏡導入のタイミングでオリンパス社の顕微鏡部門エビデント社へ訪問してきました。
位相差顕微鏡の操作全般について、顕微鏡の構造が新旧どう変わっているのかなど短い時間でしたが教えていただきました。
何事も本部に聞くのが一番濃い内容だと思います。百聞は一見にしかずです。
デンタルフロスをサボったり、水磨きをした日、水磨きをしない日で菌叢に変化かあるなどを観察しています。
基本は自分で行うセルフケアです。
それがあって初めて定期メンテナンスが活きてきます。
体の中に共生する微生物のコントロール。入り口である口腔内は最重要です。
いくら見よう真似でネットの情報などで腸活をしても口腔内がダメダメだと全く意味がありませんからね。
現在、腸内環境検査モニターを若干名募集しています。
デンタルサロンナチュール銀座ではすでに『GI map』を導入済みですが、なかな認知されていないためか普及しません。
検査の精度が高いので優秀な検査なのですが金額がかなりの高額なため、皆さんに知っていただきたい腸内環境の情報提供がなかなか進まずにモヤモヤしていました。
今回過去に参加した学会でのご縁で少し価格を抑えた腸内環境検査を導入することとなりました。
最初の数症例のみ特別価格で提供いただけるとのこと。院内オペレーションのトライアル期間としてモニター価格で数名のモニターを募集となりました。通院中の方がこのブログを読まれて少しでも興味を持たれたらお声がけください。
残り1枠となりました。
正規価格⇨モニター価格
検査費用 44000円→22000円
結果説明 5500円→無料
(必要な方への食事指導とサプリメント代は別途)
ご興味のある方は初回カウンセリングの予約を来院またはWEBでお取りください。
モニターの空きについてなど簡単な質問はLINEで受け付けております。
ご来院時にモニター希望とお知らせください。
※3月13日 追記
定員に達したため腸内環境検査モニター募集終了しました。
当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
ご興味がある方は下記からお問い合わせください。
※自動音声でのご案内となります
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