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WHOが警鐘を鳴らす「砂糖と虫歯」世界で25億人が抱える予防可能な病気

2025年12月1日

WHO(世界保健機関)の報告によれば、虫歯は世界で最も一般的な非感染性疾患で、約25億人が永久歯の虫歯に悩まされています。

一方で、虫歯は本来「予防可能」な病気でもあります。

本記事では、砂糖(遊離糖類)と虫歯の関係、喫煙に潜む“見えない糖”のリスク、

そして世界的に共有されている予防の考え方を踏まえながら、虫歯の根本原因に迫ります。

  1. 虫歯は世界最多の非感染性疾患
  2. 遊離糖類が虫歯の最大のリスク要因遊離糖類とは?
    WHOの推奨:砂糖摂取の制限
  3. 見落とされがちな糖分の摂取源:タバコの深刻な影響タバコに含まれるシロップと加熱による変化
  4. 野生動物とペット動物から学ぶ口腔健康の真実なぜ野生動物に虫歯がないのか?
    ペット動物に虫歯や歯周病が見られる理由
    現代人の食生活との共通点
  5. 虫歯はどのように発生するのか虫歯のリスクを高める3つの要因
  6. 虫歯がもたらす深刻な影響身体的症状
    機能的制限
    精神的・社会的影響
    経済的負担
  7. 効果的な予防策:WHOの推奨アプローチ
    1. 集団レベルの介入
    2. 個人レベルの介入
  8. デンタルサロンナチュール銀座での取り組み私たちができること
  9. まとめ:予防は治療に勝る虫歯予防のポイント

1. 虫歯は世界最多の非感染性疾患

虫歯(う蝕)は、世界中で最も一般的な非感染性疾患であり、25億人もの人々が永久歯の虫歯に悩まされています。

加えて、5億1000万人の子どもたちが乳歯の虫歯を抱えています。

驚くべきことに、虫歯は予防可能な疾患であるにもかかわらず、多くの国で深刻な健康負担となっています。

痛み、不快感、食事や睡眠の困難、歯の喪失、生活の質の低下など、影響は多岐にわたります。

今回は、国際的な報告を参考に、虫歯と砂糖の関係、そして効果的な予防策について整理します。

 

 

2. 遊離糖類が虫歯の最大のリスク要因

食品や飲料に含まれる遊離糖類の摂取は、虫歯の最も一般的なリスク要因とされています。

遊離糖類とは?

遊離糖類には次のものが含まれます。

・製造業者、調理者、消費者が食品・飲料に添加した単糖類・二糖類
・ハチミツ、シロップ、果汁、濃縮果汁に天然に含まれる糖類(絞った果汁も同じ扱い)

WHOの推奨:砂糖摂取の制限

WHOは、遊離糖類の摂取を総エネルギー摂取量の10%未満に抑えること、可能であれば5%未満にすることが、虫歯リスクの軽減につながるとしています。

・10%未満:成人で1日約50g(ティースプーン10杯分)
・5%未満:成人で1日約25g(ティースプーン5杯分)

また、乳幼児、とくに2歳未満には砂糖入り飲料を与えないことが推奨されています。

これは、未熟な乳歯が酸に弱く、哺乳瓶・ストローマグでの持続的な摂取が酸性環境を長時間つくるためです。

(※フッ素については国や機関ごとに見解が異なりますが、当院では2歳未満のフッ素使用には慎重であり、食生活とケア方法の改善を優先しています。)

 

 

3. 見落とされがちな糖分の摂取源:タバコの深刻な影響

タバコに含まれるシロップと加熱による変化

意外に知られていませんが、タバコには風味づけのためにシロップが添加されています。

しかし、問題はそれだけではありません。喫煙時、タバコは以下のような深刻な口腔への影響をもたらします。

  1. 蒸気による組織への浸透
    タバコは燃焼・加熱により蒸気になり、この蒸気は歯肉溝や粘膜組織に深く染み込みます。通常の食品とは異なり、蒸気状態のため口腔内の隅々まで到達します。
  2. 加熱された糖質のタール化
    タバコに含まれるシロップ(糖質)は加熱されるとタール状の物質に変化し、高い粘着性をもって歯面にこびりつき、通常の歯磨きでは除去が困難です。
  3. 病原菌の巣の形成
    粘着性のあるタール状物質はプラーク内の細菌にとって理想的な生息環境となり、虫歯菌や歯周病菌の巣を形成。歯周ポケット深部で細菌繁殖を助長します。
  4. 複合的な悪影響
    口腔内の血流悪化、唾液分泌低下、自浄作用の低下、免疫機能低下などが重なり、罹患リスクが著しく上昇します。

これらの要因が重なり、喫煙者の虫歯・歯周病の罹患率が高いことは偶然ではなく、科学的メカニズムに基づく結果です。

4. 野生動物とペット動物から学ぶ口腔健康の真実

野生動物には虫歯や歯周病がほとんど見られない一方、室内飼育のペットには明確に存在します。

なぜ野生動物に虫歯がないのか?

・加工糖を摂取しない(自然の糖は遊離糖類とは異なる)
・硬い食物を咀嚼するため唾液が十分に分泌
・ダラダラ食べをしない(酸性時間が短い)

ペット動物に虫歯・歯周病が見られる理由

・加工ペットフードの摂取
・人の食事やおやつによる糖分摂取
・食生活リズムの変化

現代人の食生活との共通点

加工食品・高糖質食品の摂取習慣は、ペットと人間で共通の問題を生みます。

フッ素や歯磨きも重要ですが、まずは糖分摂取や生活習慣の見直しこそが本質的な予防策です。

5. 虫歯はどのように発生するのか

虫歯は、歯の表面に形成されるプラークが食品・飲料中の遊離糖類を酸に変換し、その酸が歯質を時間をかけて溶かすことで発生します。

虫歯のリスクを高める3つの要因

  • 継続的な遊離糖類の高摂取
  • フッ素への不十分な曝露
  • フッ素入り歯磨き粉(1000–1500ppm)による歯磨き不足

3要因が揃うとリスクは一気に上昇します。最重要は遊離糖類の制限で、フッ素や歯磨きは補助的手段といえます。

6. 虫歯がもたらす深刻な影響

身体的症状

痛み・不快感、慢性的な感染など

機能的制限

食事・会話・睡眠など日常生活の制限

精神的・社会的影響

学校欠席や欠勤、仕事の機会損失、生活の質の低下など

経済的負担

世界の直接支出は年間約3,870億米ドル、生産性損失は約3,230億米ドルとされています。

 

7. 効果的な予防策:WHOの推奨アプローチ

1. 集団レベルの介入

糖分の表示制度、加工食品の糖分削減、砂糖入り飲料への課税、禁煙支援など。

2. 個人レベルの介入

フッ素塗布、早期治療、適切なケア指導など。
(※当院では乳幼児へのフッ素利用は慎重に判断し、セルフケアと食生活の改善を最優先としています。)

 

8. デンタルサロンナチュール銀座での取り組み

当サロンでは、国際的な予防の考え方を参考にしつつ、日本人の生活習慣や個々の状態に合わせた「健美歯科」のアプローチでサポートしています。

デンタルサロンナチュール銀座ができること

・口腔環境の詳細検査
・食生活のカウンセリング
・喫煙者へのケア(タール状物質の除去を含む)
・必要に応じた予防処置と早期治療

虫歯は予防可能ですが、世界で25億人が悩む現実は、予防がまだ十分に浸透していないことを示しています。

 

当サロンでは、WHOのガイドラインに基づき、野生動物とペット動物の違いから学んだ本質的な予防歯科を実践しています。

審美と健康の両面から「健美歯科」のアプローチで口腔環境をサポートします。

9. まとめ:予防は治療に勝る

虫歯予防の要点

・遊離糖類の制限(総エネルギー10%未満、理想は5%)
・特に乳幼児は砂糖入り飲料を避ける
・禁煙
・加工食品を減らす
・よく噛める食材を選ぶ
・ダラダラ食べを避ける
・適切な道具とセルフケア習慣(適切な頻度で行う歯磨きと口内粘膜の清掃の習慣化)
・定期検診で早期発見・早期治療

野生動物とペットの対比は、食習慣が口腔疾患の本質的な原因であることを教えてくれます。

とくに喫煙は、糖質のタール化と口腔組織への浸透という二重のリスクを伴います。

フッ素や歯磨きも重要ですが、まずは食生活の改善と禁煙が最も根本的な予防策です。

デンタルサロンナチュール銀座では、こうした考え方を踏まえ、患者さんごとの状態に応じたカウンセリングと検査を行っています。

まずは現在の状態を把握することが、予防の第一歩です。

 

ご自身とご家族の口腔健康を守るため、まずは現在の状態を正しく把握することから始めましょう。

検査・カウンセリングの予約はこちらから。

 

 

参考資料・参考文献

1)World Health Organization(WHO). Sugars and dental caries. Fact sheet. 14 August 2025.
 WHO Fact Sheet “Sugars and dental caries”(2025年8月更新)
 https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/sugars-and-dental-caries

2)World Health Organization. Guideline: sugars intake for adults and children. Geneva: World Health Organization; 2015.
 Guideline: Sugars intake for adults and children.
 https://www.who.int/publications/i/item/9789241549028

3)World Health Organization. Global oral health status report: towards universal health coverage for oral health by 2030. Geneva: World Health Organization; 2022.
 Global Oral Health Status Report 2022(GOHSR)
 https://www.who.int/publications/i/item/9789240061484

4)Moynihan PJ, Kelly SAM. Effect on caries of restricting sugars intake: systematic review to inform WHO guidelines. J Dent Res. 2014;93(1):8–18.
 https://doi.org/10.1177/0022034513508954

5)Sheiham A, James WPT. A reappraisal of the quantitative relationship between sugar intake and dental caries: the need for new criteria for developing goals for sugar intake. BMC Public Health. 2014;14:863.
 https://doi.org/10.1186/1471-2458-14-863

 

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