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初診で気づいた「スタート地点」の違い|40代女性Kさんのケースから

2025年7月13日

初診で気づいた「スタート地点」の違い|40代女性Kさんのケースから

「ちゃんとかかりつけの歯医者さんの定期メンテナンスに通っていたのに、どうしてこうなったんですか?」
これは、初診カウンセリングでよく聞かれる言葉の一つです。

今回ご紹介するKさんも、以前から他の歯科クリニックでの定期的にメンテナンスに通われていた方でした。
しかし実際に診察してみると、清掃不良だけでなく、構造的な問題によって歯肉や骨に大きなダメージが蓄積していたことがわかりました。

本記事では、Kさんのケースをもとに、「どんなメンテナンスを受けてきたか」「誰がどう診ていたか」によって、スタート地点も治療目標も大きく異なるという現実をお伝えします。


目次


定期的に通っていたのに悪化していた理由

Kさんは、以前のクリニックで数年間、保険診療の範囲内で定期的なメンテナンスを受けていました。
担当は歯科衛生士が中心で、歯科医師の関与は最小限。優しく磨くようにという指導のもと、柔らかい歯ブラシを使用し、丁寧にセルフケアをされていたそうです。

しかし初診時、Kさんの歯や歯茎には慢性的な着色や出血があり、口内全体にバイオフィルムがべったりと付着していました。
「ちゃんと通っていたはずなのに、なぜ?」という疑問の背景には、診断の“深さ”が関係していたのです。


清掃不良だけではない歯肉退縮の原因

多くの方が「歯ぐきが下がったのは、磨きすぎたからでは?」と考えます。
確かにブラッシング圧が強すぎることも原因になり得ますが、それだけではありません。

Kさんの場合は逆に、ブラッシング圧が弱すぎて、毎回の清掃が不十分でした。
汚れが取り切れないまま慢性的に残り、歯肉に炎症が定着。そこに真菌(カビ)も加わり、免疫応答が続いていたと考えられます。


歯の位置と骨の関係を無視した治療の落とし穴

Kさんの前歯(上顎1番)には、2番よりも幅が小さいセラミッククラウンが装着されており、歯並びを歯列矯正ではなくセラミッククラウンで補正した結果と考えられました。
つまり、歯根の位置自体はかなり斜めに生えていて、ボーンハウジング(骨の枠)の外に位置していたのです。前歯のみではなく奥歯の位置も舌側に傾斜していて、小臼歯はクロスバイトになっていました。噛み合わせの力がバランス悪く負荷がかかりすぎる部位は、どうしても骨が薄くなってしまいがちです。十分な量の骨の支えを持たない歯根は、支える骨が薄いため骨吸収も進行します。歯槽骨が薄いと表面の粘膜も薄くなるのでいくら丁寧に磨いても歯肉が後退しやすくなります。
構造的な問題を評価しないままの修復治療では、見た目は一時的に整っても、本質的な問題は進行を続けます。また、歯肉退縮を起こしている原因が歯磨き圧ではないのに十分に落としきれない歯磨きを継続させるようなメンテナンスでは丈夫な歯茎にはなれません。


目に見えないバイオフィルムとカビの蓄積

当院のメンテナンス時に行った位相差顕微鏡の検査では、Kさんの歯肉縁下のプラーク(歯垢)や歯肉周辺にはカビと活動性の高い状態の多くの菌が認められました。
清掃圧が足りない状態で長年過ごしていたため、バイオフィルムが校内全体に付着し続け慢性的な炎症になっていたのです。

この状態では、いくら表面的に汚れを落としても根本的な改善には至りません。
Kさんには内科的歯周治療を実施し、カビの除去とともにセルフケアの見直しを行いました。
セルフケアの見直しとは、使用する道具の見直し、道具の使い方について細かなテクニックの習得、そしてセルフチェックの質を上げることです。


根本原因にアプローチするために必要なこと

歯肉退縮や出血を「清掃不足」「磨きすぎ」と単純に判断するのではなく、その背景にある歯の位置・骨の支え・力の分布まで丁寧に見極めることが大切です。

Kさんは現在、月に1回のメンテナンスで、咬合調整や微細な力のコントロール、バイオフィルムの徹底除去を続けています。
一度進行した骨吸収は戻りませんが、進行を止め、安定させることは十分に可能です。

また、口内トラブルになりやすい菌の繁殖ペースを緩やかにするコツなどを学んでいただ気、実践されています。

しかし、自宅にてセルフケアを行うと自己流になりがちです。自己流でうまくいっていればその方法を継続していただきます。
うまくいっていないなと感じる時は、その原因と対策を一緒に探してゆくのが当院のメンテナンスの基本です。


まとめ

「定期的に通っているから大丈夫」と思っていても、誰がどう診ているかでスタート地点も結果も変わってしまいます。
見た目の治療や清掃指導だけでなく、構造的な評価とリスク管理を行うことが、歯と骨を守るためには不可欠です。

メンテナンスの“中身”を見直すことが、長い目で見たときに大きな差を生むのです。

気になることがありましたら、まず初回カウンセリングへお越しください。来院不要のオンラインでも可能です。

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