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マウスピース矯正ブランド比較:実際に使ってみて分かった「妥協点」の選び方

2025年6月9日

マウスピース矯正ブランド比較:実際に使ってみて分かった「妥協点」の選び方

「インビザラインは良いって知ってるけれど費用面が悩みです。他のブランドでも同じ結果が得られるのでしょうか?」よくお調べになられた方々からいただくこの質問。実際に複数のマウスピース矯正ブランドを使用してきた臨床経験をもとにお答えします。
歯列矯正にかかる費用は治療期間や範囲などにもよりますが、部分矯正でも全体矯正でも細かな機材や治療機器、技工コストなどを考えれば50万円〜100万円が妥当です。

結論から申し上げると、どのブランドも「同じではありません」。大切なのは、それぞれの特徴を理解し、ご自身が何を重視するかで「どこで妥協するか」を決めることです。

 

 

 

1.『インビザライン』:なぜ多くの歯科医師が「基準」とするのか

実際の使用感で感じる圧倒的な違い

インビザラインは、アライナー矯正を世界で初めて開発したパイオニアブランドです。開発費用と歴史が大きく異なりますので、他社の追従をなかなか許さないというのが現実です。

治療計画の作りやすさ
クリンチェックというソフトウェアの操作性は、他社と比較して群を抜いています。インビザラインは担当する歯科医師が直接治療計画の修正や設計を行うことができるため、患者への説明用画像の作成が直感的に行え、診療効率が大幅に向上します。

(注:姉妹ブランドのインビザラインGOは、担当歯科医師の指示はごくわずかに加えることができる程度なので、今回は別のものだと考えてください。)

SmartTrack素材の実力
実際に使用された皆さんから聞く「ワイヤーに比べたら痛みが強くない」「前のアライナーより痛くない」「フィット感が良い」という声は、素材の違いを実感させられます。持続的で適切な力を歯にかけ続けることで、予想通りの歯の動きを実現しやすくなります。SmartTrackはインビザライン独自のマウスピース素材です。

治療の「流れ」が止まらない
設計完了から約10日での納品、不良品への迅速な対応。治療期間中に何度も発生する「治療計画→製造→納品」のサイクルで、この速度とサポート体制は治療をスムーズに進める上で非常に重要です。

代償となる費用面
これらの利点の代償として、治療費は他社より高額になりがちです。特にコンプリヘンシブパッケージでは、追加費用も含めると想定以上の出費となる場合があります。

 

2.費用を抑えつつ治療品質を求める選択肢

2-1SureSmile:技術力でカバーする工夫

当院での使用感
デンツプライシロナという大手メーカーの技術力は確かに感じられます。特にデジタル技術を活用した治療計画は精密で、インビザラインのコンプリヘンシブパッケージに近い治療内容を、より抑えた費用で提供できる可能性があります。
シート素材が硬めで、しなりが少ないので製造エラーが生じやすいように感じます。
同社から提供されているV-proを併用することで、装着時のわずかな浮き上がりを防止しやすくなります。

同業者からの評価
歯科医師同士の情報交換では「インビザラインより技工コストが安価でありながら、プランによる歯の移動制限がない。トリムラインの選択が可能」という点で評価する声が多く聞かれます。

現実的な制約
ただし、以下の点で妥協が必要です

◆ソフトウェアの操作性は直感的ではない。歯科医師が修正した設計データを回収し、再度修正、点検され納品される作業が避けられない。
◆製造から納品まで約3週間かかるため、治療の「テンポ」が落ちる。
◆シート素材が硬く、歯の向きによっては着脱しにくいことがある
◆製造時のエラーが生じやすく、再作成が必要になるたびに治療スケジュールに遅れが生じるリスクがある。

 

2-2.Smartee:価格競争力の魅力と課題

導入初期の印象
比較的新しいブランドながら、柔軟なプラン設定と価格競争力は魅力的です。GEとGSという製品ランクがあり、上位製品のGSにはSmartee独特の機能として下顎前方牽引装置などがあります。重度の過蓋咬合や2級2類の症例など下顎の位置を修正する必要がある症例にはインビザラインにはない機能を持つGSを推奨します。GS費用はインビザラインより少し上がります。6年使用可能なのは重度の症例には安心できる要素です。特にスタンダードなGEは「インビザラインは高すぎるが、部分矯正では物足りない」という患者様の費用面でのニーズに応えやすいブランドと言えるでしょう。

歯科医師ネットワークからの情報
Smarteeを使い始めた同業者からは「思ったより使えるが、インビザラインの便利さを実感する」という声が多く聞かれます。
特に、治療計画の作成やデータのやり取りに時間がかかる点は共通の課題として挙げられています。

患者満足度の現実
費用面での満足度は高いものの、以下の課題があります

    • 治療期間の長期化により「思ったより時間がかかる」という声
    • アライナーのやり直しによる治療中断(移動が達成しない時の追加修正ではなく欠陥品納品時や途中虫歯治療が発生した時などのこと)で予定が大幅に狂うケース
    • 再製作待ちの間のモチベーション低下

 

3.価格相応の妥協点を理解する

妥協点1:治療プロセスの快適性

インビザライン以外での現実

    • ソフトウェアの操作に時間がかかり、治療計画の微調整が煩雑
    • データのアップロード・ダウンロード(ここにおいては製造元の担当者からのデータ納品のこと)で待ち時間が発生
    • 歯科医師側の作業効率低下が、結果的に患者様の待ち時間に影響

 

妥協点2:治療期間の延長リスク

製造・納品期間の違いが与える影響

      • インビザライン:平均約10日
      • その他:約3週間

      この差は治療期間中に複数回発生するため、積み重なると数ヶ月の差になる可能性があります。

      製造エラーリスクによる更なる遅延 SmarteeやSureSmileではアライナー製造のやり直しが必要になる確率がやや高いため、製造期間の長さと合わせて二重の遅延リスクを抱えることになります。予定通り進まない治療は、患者様のモチベーション維持にも影響を与えます。

       

      妥協点3:品質管理とやり直しリスク

      実際に経験した大きな違い SmarteeもSureSmileも、インビザラインと比較してアライナーの製造エラーの頻度がやや高く、再製作が必要になる確率が明らかに高いのが現実です。
      ここで重要なのは、患者様のコンプライアンス(装着時間不足や取り扱い方法)による問題と、歯の移動自体の問題とは明確に異なるということです。装着時間が守られなかったり、適切な取り扱いがされなかった場合に起こる「途中で入らなくなる」「エアスペースが生じる」といった問題は、どのアライナーブランドでも等しく発生します。

      しかし、それとは別に製造側に起因する問題があります:

      • 製造精度のばらつきによる適合の問題
      • 予定していた形状と異なる仕上がり
      • 材質や厚みの不均一

      これらの製造起因の問題が発生すると、患者様がしっかりと装着時間を守っていても治療が一時停止し、再製作・再納品を待つことになります。
      ただでさえ製造期間が長いメーカーの製品でやり直しが発生すると、治療スケジュールに大幅な遅れが生じます。

      トラブル時の対応力の差
      やり直しや治療計画の急な変更が必要になった際の対応速度は、ブランド間で明確な差があります。インビザラインの品質管理レベルと迅速な対応力は、他社では代替が困難な部分です。

       

      4.失敗しない選択のための考え方

      4-1「安さ」だけで選ぶ危険性

      実際の臨床経験から言えることは、**「最初から適切なプランを選ぶことの重要性」**です。

      キレイラインなどのように「ミニマムプランで様子を見て、ダメなら追加」という考え方は、ごく軽度の症例を除き以下のリスクを伴います。
      ◆追加費用の積み重ねで結果的に高額化
      ◆治療の一貫性が損なわれ、効率的な歯の移動が困難
      ◆中途半端な改善で後戻りリスクが増大

       

      4-2どこで妥協するかの判断基準

      費用対効果を重視し、特性を理解して選ぶなら → SureSmile・Smartee
      ◆治療期間の延長をある程度許容できる
      ◆やり直しによる治療中断があっても構わない
      ◆歯科医師との密なコミュニケーションを取れる
      ◆SureSmile:3年間の安定したコスト管理を重視
      ◆Smartee:5年間の長期的なコストパフォーマンスを重視

      自己診断ではなく、歯科医師の診断の下の『軽度の症例』であることを前提に

      部分矯正で低価格を求めるなら → インビザラインG0、GCトランスクリア、キレイライン

      ◆ただし追加費用の積み重ねで最終的に高額になるリスクを承知の上で

      ◆前歯の軽微な改善で満足できる場合のみ最適

      複雑な症例なら → インビザライン

      ◆奥歯の大幅な移動が必要⇨凸凹が極端に多い、E-Lineを含め横顔や口元を大幅に引っ込めたいという願望が強いケースが該当

      ◆抜歯を伴う治療⇨E-Lineを含め横顔や口元を大幅に引っ込めたいという願望が強いケースが該当

      特に2級2類の症例や広範囲の空隙の症例では5年プランを選択することが重要

      ◆過去に矯正治療の経験がある後戻りで骨が薄いケース

       

      5.まとめ:あなたにとって最も大切なものは何ですか?

      実際に複数のブランドを使用してきた経験から言えることは、マウスピース矯正は「どのブランドも同じ」ではないということです。
      それぞれに明確な特徴と制約があります。

      時間と確実性を重視する場合

          • 仕事が忙しく、予定通りに治療を進めたい
          • やり直しによる治療中断を避けたい
          • 迅速なトラブル対応を求める

      初期費用を最優先する場合

          • 治療期間の延長を許容できる
          • やり直しによる治療中断があっても構わない
          • 製造品質のばらつきを受け入れられる

      どう選ぶかで、治療体験は大きく変わります。

       

      5-1実際のコスト構造を理解する
      追加費用の仕組みを知っておく
      各ブランドには異なる料金体系があり、これを理解せずに選択すると思わぬ出費につながります。
      (注:クリニックによって料金体系は異なります。)

      キレイライン

          • 初期費用は最も安価に見える
          • しかし追加のたびに費用が発生するシステム
          • 結果的に最も高額になりがち

          SureSmile

            • 3年間は大きな追加費用なく使用可能
            • 比較的安定したコスト管理ができる

            Smartee

              • 困難症例向けのGSは6年間は大きな追加費用なく使用可能なシステム
              • 長期的な視点でのコストパフォーマンスが良い

              インビザライン

                • 全顎治療には、3年使用可能プランと5年使用可能プランが選択可能(症状の強さでプランは選定されます)
                • リファイメント(修正)が生じやすい2級2類の症例では5年プランが賢明

                 

                5-2製品特性を理解した上での選択を

                **重要なのは「安い製品を選んでも、その特性を理解して選ぶ」**ことです。

                製造品質にばらつきがある、やり直しが多い、納期が長いといった特性を事前に理解し、それを承知の上で選択するなら、それは合理的な判断です。

                しかし、「安いから選んだのに、こんなはずではなかった」と後からクレームを言うのは筋違いです。
                それぞれの製品には相応の理由があって価格が決まっているのですから。

                5-3大切なのは情報に基づいた判断

                完璧なブランドは存在しません。 だからこそ、それぞれの特徴と制約を正しく理解し、ご自身の価値観と照らし合わせて判断することが重要です。

                最終的に治療の成功を左右するのは、担当する歯科医師の経験、そしてご本人の協力度と信頼関係です。
                初回カウンセリングにて、これらの情報を踏まえて納得のいく選択をしてください。
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                この記事は実際の臨床経験と歯科医師間の情報交換に基づいて作成されています。

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