
2025年5月5日
虫歯予防の新常識。ビフィズス菌とフッ素耐性の真実
デンタルサロンナチュール銀座は、フッ素を予防の第一選択とは捉えていません。フッ素はなるべく使わない方針です。
虫歯の原因菌として有名なストレプトコッカスミュータンス以外にも虫歯の主役となるビフィズス菌やラクトバチラス類が多数存在します。面白いことに虫歯菌は歯周病菌の代表格のP.g菌の繁殖を抑えることも知られています。
今回は、特にB. dentiumに着目し、従来の虫歯予防の常識に疑問を投じる内容です。
特に、虫歯予防の代名詞とも言えるフッ素の効果が、B. dentium に対しては効果がないという研究もあります。
この記事では、B. dentium の特性であるフッ素耐性を中心に、最新の研究データや具体的な事例を交えながら、より深く虫歯予防のあり方を掘り下げていきます。
健康意識が高く、より質の高い情報を求める方に向けて、本当に有効な虫歯予防とは何か考えていきます。
ビフィズス菌といえば、腸内環境を整える善玉菌として広く知られています。ヨーグルトやサプリメントなどで積極的に摂取している方も多いでしょう。
実際、多くのビフィズス菌は、腸内で悪玉菌の増殖を抑えたり、免疫機能を調整したりと、私たちの健康維持に貢献しています。
しかし、口腔内には腸内とは異なる細菌叢が存在し、その中で一部のビフィズス菌が異なる顔を見せる可能性があるのです。近年、van Houte (1994) の総説でも示されているように、口腔内の微生物は虫歯の発生と進行において複雑な役割を果たしています。そして、研究が進むにつれて、Bifidobacterium dentium という特定の種類のビフィズス菌が、口腔内で酸を産生し、歯のエナメル質を溶かす虫歯の原因菌として働く可能性が示唆されています。
これは、私たちにとって非常に重要な発見です。なぜなら、これまで虫歯予防の中心と考えられてきた対策が、この新たなタイプの虫歯には効果を発揮しない可能性があるからです。
虫歯予防の三本柱といえば、「歯磨き」「食生活の改善」、そして「フッ素の利用」が挙げられます。
特にフッ素は、歯のエナメル質を強化し、再石灰化を促進する効果が広く知られており、歯磨き粉や歯科医院での塗布など、様々な形で利用されています。
しかし、B. dentium の研究が進むにつれて、この菌がフッ素に対して耐性を持つ可能性が指摘されています。
つまり、一般的なフッ素濃度の歯磨き粉やフッ素塗布では、B. dentium の酸産生を十分に抑制できない可能性があるのです。
もしそうであれば、私たちはこれまで信じてきたフッ素による虫歯予防が、特定の菌に対しては無力であるという、大きな盲点に気づかされることになります。
さらに、フッ素に過度に依存した虫歯予防は、別のリスクもはらんでいます。
フッ素は、高濃度で摂取するとフッ素症(歯の斑点や変色)、胃腸障害、さらには骨に影響を与える可能性も指摘されています。
実際には高濃度のフッ素を使用しないとB.dentiumでなくてもほとんど予防効果はないことも事実です。
また毎日微量のフッ素を歯磨きペーストから粘膜を介して吸収することの意味をよく考えるべきです。
何のためにフッ素を使用し続けているのか?歯磨き粉のフッ素が本当に虫歯を予防できているのか?
それでもフッ素入り歯磨きペーストの使用を継続したいなら、3回歯磨きをするうちの2回はフッ素無配合にするなどの工夫をした方が良いでしょう。
もしフッ素を効果的に使うとすれば、半年に1度程度超高濃度フッ素を、歯科クリニックでのメンテナンス直後に短時間歯の表面に塗布することを推奨します。
この超高濃度フッ素は、一般には市販されていないものです。取り扱いに注意を要するので歯科クリニックでのみ取り扱うことができます。
日常生活においても、テフロン加工の調理器具や一部の食品、水道水、炊飯ジャーなどから微量のフッ素を摂取する機会があり、その蓄積リスクも無視できません。ちなみに予防大国のスウェーデンではフッ素は過去のもので、優害物質として認識されており、現在は使わないのが主流です。
セミナー屋さん的な立ち位置の同業者ではなく、実際のスウェーデン人に聞くとこのことは本当によくわかります。
スウェーデン式と言われるフッ素入り歯磨き粉を口の中に残したままゆすがない予防法は過去のもののようです。
一方アメリカ人は、高濃度フッ素を意識高く使用している人も多いようです。
週1回高濃度フッ素を口に含み吐き出さないように停滞させ、吐き出す。その後うがいはしないそうです。
この方に話をよく聞くと、デンタルフロスもしているそうです。
フッ素が虫歯を予防しているのか、それとも適切な清掃が予防しているのか?
同じアメリカ人でも環境問題や、添加物などの問題に精通している人はフッ素や研磨剤、発泡剤を嫌う傾向にあります。
前者のフッ素信者のアメリカ人は、添加物のことやフッ素の弊害について質問しても何も知りませんでした。
セミナー屋さんの先生ではなく実際に出会った外国人に話を聞いてみると、生きた情報として色々と考えさせられます。
様々な場所で出会った外国人に多様な質問を投げかけてみると、もっともらしい有料セミナーの情報がかなり偏っていることがわかります。
さておき、デンタルサロンナチュール銀座が、虫歯予防の第一選択として安易にフッ素を推奨しない背景には、最新の研究結果と、患者様の長期的な健康への深い配慮があるのです。
フッ素入り、研磨剤入り、発泡剤入り歯磨き粉で虫歯や歯周病がなくなりましたか?
健康的な美しさを追求する多くの患者様と向き合ってきたデンタルサロンナチュール銀座は、一時的な効果だけでなく、生涯にわたるお口の健康を真剣に考えています。そのため、私たちは最新の研究動向を常に把握し、従来の虫歯予防の枠にとらわれない、より本質的な予防法を提案しています。
B. dentium のフッ素耐性の可能性や、フッ素の潜在的なリスクを考慮すると、安易なフッ素利用に頼るのではなく、口腔内細菌のバランス全体を整え、虫歯の原因菌そのものをコントロールするというアプローチがより重要になると考えています。
デンタルサロン ナチュール銀座が考える真の虫歯予防は、以下のステップに基づいています。
B. dentium が虫歯の原因菌として注目されるようになった背景には、近年発表された複数の研究論文があります。
例えば、Mantzourani ら (2009) の研究では、根面カリエス病変の臨床的な重症度とビフィドバクテリウム属菌の関連性が示唆されており、特定のビフィズス菌が虫歯の進行に関与している可能性が示唆されています。また、別の研究では、B. dentium が産生する特定の酵素が、歯のエナメル質を構成するハイドロキシアパタイトを効果的に溶解することが示唆されています。
さらに、B. dentium がフッ素耐性を持つメカニズムについても研究が進んでいます。
一部の研究では、B. dentium がフッ素イオンを細胞外へ排出する特殊なタンパク質を持っている可能性や、フッ素による酵素阻害を受けにくい代謝経路を持っている可能性が示唆されています。
これらの研究成果は、従来の虫歯予防の考え方を再考し、新たな視点を取り入れる必要性を示唆しています。
フッ素だけに頼るのではなく、口腔内細菌全体のバランスを考慮した予防戦略が、今後の虫歯予防の鍵となるでしょう。
Q1. フッ素は全く意味がないのでしょうか?
A1. いいえ、フッ素は依然として虫歯予防において重要な役割を果たします。要は使い方の問題です。
歯のエナメル質を強化し、初期の虫歯の再石灰化を促進する効果は科学的に証明されています。
しかし、B. dentium のようにフッ素耐性を持つ可能性のある菌に対しては、十分な効果が期待できない場合があります。
そのため、Papaioannou ら (2001) の研究のように、他の抗菌成分との併用や、口腔内細菌のコントロールと組み合わせることが重要です。
要はバイオフィルムの除去と再石灰化が必要なのです。
この2点を補完できればフッ素は不要ということです。
フッ素は一部の菌に効果的ですがバイオフィルムを壊すことはできません。
Q2. 虫歯予防で最も優先すべきことは何ですか?
A2. 最も優先すべきことは、ご自身の口腔内の状態を正確に把握することです。唾液検査や位相差顕微鏡などの検査を通じて、どのような細菌が多く、どのようなリスクが高いのかを知ることが、効果的な予防の第一歩となります。
その上で、歯科医師の指導に基づいた、適切なセルフケアと定期的なプロフェッショナルケアを行うことが重要です。
個々のリスク評価に基づき生活習慣にも着目した予防戦略が必要です。
Q3. 腸内の善玉菌であるビフィズス菌が、なぜ口腔内では虫歯の原因になる可能性があるのですか?
A3. 腸内と口腔内は、細菌の種類や環境が大きく異なります。腸内では、多くのビフィズス菌が糖を分解して乳酸などを産生し、悪玉菌の増殖を抑えるなど、有益な働きをします。しかし、口腔内では、B. dentium が糖を分解して強い酸を産生し、それが歯のエナメル質を溶かすことで虫歯を引き起こす可能性があります。
同じビフィズス菌でも、存在する場所によって働きが異なるのです。van Houte (1994) の総説は、口腔内における多様な微生物の生態系と、それが疾患にどのように関与するかを理解する上で重要な基礎となります。
今回は、虫歯の新たな主役となる可能性を秘めた B. dentium のフッ素耐性について、最新の研究動向を交えながら解説しました。
特定の細菌が虫歯の進行に重要な役割を果たしている可能性を示唆しています。またバイオフィルムの存在は、各種の有効成分の効能を無効にします。
従来の虫歯予防の常識にとらわれず、ご自身の口腔内の状態を正確に把握し、科学的根拠に基づいた予防法を取り入れることの重要性をご理解いただけたでしょうか。
デンタルサロンナチュール銀座は、これからも最新の研究に基づいた、より質の高い予防医療を提供してまいります。
もし、これまでの虫歯予防に疑問を感じている方、よりパーソナルな予防法に関心のある方は、ご相談ください。
唾液検査や位相差顕微鏡などを通じて、あなたの口腔内環境を詳しく分析し、最適な予防プランをご提案させていただきます。
保険診療で何でも済ませることはできません。
個々のリスクに合わせた予防アプローチが、将来の口腔の健康を守る上で不可欠です。
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