2024年10月31日
歯周病は単なる「歯茎の病気」として見過ごされがちですが、実際には口腔内にとどまらず、全身の健康に影響を及ぼすことが研究により明らかになっています。特に、歯周病の原因菌が血流に乗って全身に拡がり、慢性炎症を引き起こすリスクがあるため、心臓病や糖尿病、リウマチなどの病気を悪化させる要因にもなり得ます。今回は、歯周病が全身の健康にどのように関わっているのか、その重要性について詳しくご紹介します。
歯周病は感染症:見えないリスク
まず知っておきたいのは、歯周病が感染症であるという点です。歯周病の原因となる細菌は、口腔内のプラークや歯石、未治療の虫歯、古い修復の内部に潜み、炎症を引き起こすことがわかっています。歯周病は通常、適切な口腔ケアやクリーニングが不足すると発症しやすく、細菌が増殖して炎症が進むと、感染が深刻化する可能性が高まります。これが単なる「歯茎の病気」ではなく、細菌が引き起こす感染症である理由です。
歯周病菌は非常に感染力が高く、特に家族やパートナー、ペット間でうつることが知られています。これが、家族全員の口腔ケアが重要である理由の一つです。また、歯周病は進行するほどに治療が困難となり、感染が拡大するため、早期の発見と対策が欠かせません。
歯周病と全身への影響の仕組み
歯周病は、歯と歯茎の境目にプラークや歯石がたまり、炎症を引き起こす感染症です。この炎症が進行することで、歯茎の奥深くにまで細菌が入り込み、歯槽骨が溶けてしまうことがあります。しかし、問題はこれだけにとどまりません。歯周病菌が血管内に入り込み、血流を通じて体内を巡り、さまざまな臓器に影響を及ぼします。特に、心血管疾患や糖尿病、リウマチ、さらには他の自己免疫疾患との関連性が示唆されています。
PCR検査による歯周病菌の検出と重要性
デンタルサロンナチュール銀座では、PCR検査を用いて歯周病菌の種類と量を詳しく調べています。PCR検査は、感染症である歯周病の代表的な原因菌を特定するうえで非常に有効な手段です。口腔内の細菌の種類やその活動状況を確認することで、歯周病がどの段階にあるかを把握し、より的確な治療を提供できるようになります。
また、歯周病菌は個人差があるため、PCR検査によって患者一人ひとりに最適な治療方法を選定することが可能です。例えば、炎症が進行しやすい菌種が見つかった場合、集中的なクリーニングや特定の抗菌処置が有効であることがわかります。このように、PCR検査を通じて個別の口腔内環境を評価し、必要に応じた早期治療と予防が可能になるのです。
心血管疾患と歯周病の関連性
歯周病が進行することで炎症反応が続き、動脈硬化が促進されるリスクが高まることが分かっています。歯周病菌が血液に入り込むことで、血管の内壁に付着し、血管が狭くなる動脈硬化が進行しやすくなるため、歯周病患者は心臓病や動脈硬化のリスクが高まるとされています。特に、高血圧やコレステロール値が高い方、喫煙をしている方は、歯周病の治療と予防がより重要です。
糖尿病と歯周病の相互関係
糖尿病患者では免疫機能が低下しているため、歯周病が進行しやすく、逆に歯周病が悪化すると血糖コントロールが難しくなるという悪循環が生じます。近年の研究では、歯周病の治療が糖尿病患者の血糖値を改善することも確認されており、歯周病の予防と治療が糖尿病管理の一環としても重要視されています。
リウマチと歯周病の密接な関連
リウマチは関節が炎症を起こす自己免疫疾患ですが、歯周病もリウマチの悪化要因として注目されています。リウマチ患者では免疫反応が過敏であるため、歯周病菌が引き金となり、さらに関節の炎症が悪化するリスクが高いとされています。また、歯周病菌の中にはリウマチの発症を助長する物質を産生するものもあるため、歯周病治療がリウマチ症状の緩和に繋がる可能性が示唆されています。実際に、歯周病治療後にリウマチの症状が軽減されたとの報告もあり、リウマチ患者にとって歯科でのケアが重要であることがわかります。
他の自己免疫疾患への影響
リウマチ以外にも、歯周病は他の自己免疫疾患、例えば掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)や乾癬(かんせん)といった皮膚の疾患とも関連しています。歯周病菌による炎症が体全体の免疫システムに影響を与え、これらの自己免疫疾患を悪化させることがあるのです。そのため、自己免疫疾患を抱える患者様にとっても、歯周病の早期発見・予防は非常に重要です。
歯周病予防のための対策
歯周病は適切な予防と治療によって進行を遅らせたり、防いだりすることが可能です。デンタルサロンナチュール銀座では、定期的な歯科検診やプロフェッショナルクリーニングによるケア、さらにはPCR検査や唾液検査を活用したリスク評価を行い、歯周病の早期発見・早期治療を徹底しています。
1. 定期的な歯科検診:自覚症状が出にくい初期段階の歯周病は、定期的な歯科検診で早期に発見することが大切です。
2. 毎日の口腔ケア:デンタルフロス、ワンタフトブラシ、ラウンド加工毛の歯ブラシを使い、日々のケアでプラークを効果的に除去する習慣をつけましょう。
3. 専門的なクリーニング:歯科医院でのプロフェッショナルクリーニングは、プラークや歯石の除去だけでなく、歯周ポケット内の細菌、バイオフィルムを取り除くことで歯周病予防に役立ちます。
まとめ
歯周病は「静かなる病気」とも呼ばれます。
わかりやすい症状が現れる頃にはかなり進行していることが多いのは、歯周病が軽視され見過ごされがちだからです。
実際には全身の健康に大きな影響を及ぼします。
それは当たり前のことだと言えます。なぜなら、毎日口から食事を摂り、唾液を1〜1.5L飲み込んでいるのですから。。
「胃酸で菌は死ぬんでしょ?」と思われている方も多いと思います。残念ながら口内細菌は腸の中にも流れ込んでしまいます。
腸内環境改善を目指すならまず先に口内環境改善が必須というわけです。
特に心血管疾患や糖尿病、リウマチなどの慢性疾患を抱えている方は、すでに歯周病が進行していることが多いのが現状です。
入念なセルフケアとプロフェッショナルケア(歯科クリニックでの専門的なケア)の口内環境管理の継続が全身の健康管理に欠かせない要素です。
デンタルサロンナチュール銀座では、患者様一人ひとりに合わせたケアプランをご提案し、口腔内の健康を通じて全身の健康管理をサポートしています。歯周病が気になる方、または糖尿病やリウマチなど慢性疾患をお持ちの方は、早期の予防や治療が体全体の健康に良い影響を与える可能性があります。お悩みや疑問がある方は、ぜひ一度ご相談ください。
デンタルサロンナチュール銀座は、口腔ケアを通じて、皆様が健康で充実した日々を過ごせるよう、全力でサポートいたします。
治療ではなくメンテナンスのみでも通院可能です。
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当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
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