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「歯周病と口臭を改善する方法:LPSとバイオフィルムの解説」

2024年9月9日

歯周病と口臭の問題は、現代人にとって避けて通れない健康課題です。特に、口臭が原因で他人とのコミュニケーションに支障をきたすケースも多く、自己評価にも悪影響を及ぼします。これらの問題の背後には、歯周病菌が関与していることが多く、その中でも「LPS(リポポリサッカライド)」と「バイオフィルム」が重要な要素となっています。
歯周病と口臭を効果的に改善するための方法を、LPSとバイオフィルムの観点から詳しく解説します。

 

口臭の原因として挙げられることが多いのが、歯周病菌が生成するLPSという物質です。
LPSは、グラム陰性細菌の外膜に存在するリポ多糖であり、エンドトキシンとして知られています。
一般的には、LPSは体内の免疫システムを刺激し、炎症を引き起こす原因とされますが、歯周病菌が持つLPSは他の細菌とは異なる特性を持っています。
LPSの最も良く知られている生物活性は、マクロファージの活性化です。マクロファージは自然免疫の中心的細胞で、体中に存在しており、細菌やウイルスから身体を守ったり、傷の修復を助けたり、新陳代謝の調節に欠かせない働きをしています。従って、マクロファージを活性化するLPSは、感染防御、創傷治癒、代謝調節の機能を高めます。

歯周病菌のLPSは、TLR4受容体と結合する力が非常に弱いため、通常の炎症反応を引き起こすことはほとんどありません。
しかし、歯周病菌がバイオフィルムを形成することで、口腔内の健康が大きく損なわれることが知られています。

バイオフィルムは、細菌が集合して作り出す非常に強固なバリアであり、これがある限り、口臭や歯周病の原因となる細菌が完全に除去されることはありません。歯周病菌で見られる炎症に関する生物活性は、夾雑しているリポタンパク質がTLR2に結合することで起こっていることも明らかになっています。
歯周病の本質的な問題は、歯周病菌のLPSではなく、歯周病菌が排除されずに停滞し増殖と溶菌を繰り返しつつ、
生きて活動し続けていることです。

さらに、バイオフィルムは歯と歯茎の境目や歯周ポケットの中、歯の表面や粘膜全体にもベタッと張り付いていることが多く、堆積したものは通常のブラッシングだけでは取り除くことが困難になってきます。
虫歯も歯周病も進行しやすくなります。
歯周病と虫歯には直接関係がない様々な病原菌も定着しやすくなります。

 

歯周病と口臭を効果的に改善するためには、LPSとバイオフィルムに対する正しい理解と、それに基づいた適切なケアが必要です。
以下に、具体的な改善方法をステップごとに紹介します。

 

ステップ1. バイオフィルムの破壊

   – まず最初に行うべきは、バイオフィルムを破壊することです。歯科医院では、超音波スケーリングやエアフロークリーニングを用いてバイオフィルムを物理的に除去します。また、組織の中に侵入した病原菌やすでに古い病巣となっている根尖病巣などは、クリーニングのみではバイオフィルムを破壊することは困難です。その場合、歯周内科的な診査診断と状況によってはバイオフィルムを破壊するための投薬治療の併用が必要になります。
バイオフィルムの破壊を効果的に行うことで、歯周ポケット内の細菌が減少し、口臭や歯周病の進行を防ぐことが期待できます。

 

ステップ2. LPSに対する理解とケア

   – 歯周病菌のLPSについては、炎症を引き起こす直接的な要因ではないことを理解することが重要です。
LPS自体よりも、歯周病菌が生き続け、活動し続けることで口腔内の問題が悪化します。
そのため、LPSを除去することよりも、歯周病菌そのものを抑制するためのケアが必要です。
内科的歯周治療の検査の結果をもとに、内服薬や抗菌作用のある歯磨き粉、あるいは洗口液などを使用し、
口腔内の細菌バランスを整えることが有効です。

その際、注意すべき点は、自分勝手に見よう見まねのケアを行わないこと。あれがいい、これがいいと使用する順序や使用方法が出鱈目になると

どれも全く効果が出ないなんてことにもなりかねません。

内科的歯周治療は保険適応外です。自由診療のみの方法です。

 

ステップ3. 日常的なオーラルケアの徹底

   – 毎日の口内清掃が万全かつ定期的な歯科医師による専門的なメンテナンス。この2つが揃って初めて予防管理となるわけですが、、
最も重要なのは、歯ブラシだけではなくワンタフトブラシ(←とても大事)、デンタルフロスや歯間ブラシを使用して、
歯と歯の間や歯周ポケット内の汚れを徹底的に取り除くことが大切です。
これにより、バイオフィルムの再形成を防ぎ、歯周病菌の過剰な繁殖を抑えることができます。セルフケアと定期メンテナンス農地どちらが欠けてもいけません。

また、基本アイテムは3つ。それ以下にしようすることは最悪です。

日本の口腔ケア用品のいけないところは、本質的に必要なものを正確に情報提供し、より良くするものではなく、

いかにズボラにサボってなんとかしようという怠け癖に訴求するような『売るための商品開発』ばかりを大手メーカーが行なっているということが問題ですね。歯と歯茎に悪影響を及ぼす製品が乱立しているのも事実です。

悲しいことに、国内メーカーのものではなくスウェーデンやスイスの製品を推奨しなければならない現状は、

日本人の口臭問題と直結しているように思えてなりませんね。

 

ステップ4. 定期的な歯科検診の重要性

   – 少なくとも3か月〜半年に一度は、歯科医院での定期検診を受け、プロフェッショナルなケアを受けることが推奨されます。
また、これはあくまでも目安の期間なわけですが、すでに歯周病が進行している場合はもっと頻繁に通院する必要があるケースも少なくありません。
デンタルサロンナチュール銀座では、初診時の状況がどのような細菌叢であったかを重要に捉えています。
健康的にキレイを目指すことで健やかなエイジングをサポートすることがデンタルサロン銀座の使命です。

歯並びに問題がある方は必ず歯周病に罹患していると思ってください。
歯科医師による歯周病の早期発見と予防は、口臭や歯周病のリスクを大幅に減らすことができます。

ステップ5.食生活の見直し

   – 口内細菌叢は、腸内の細菌叢と比べ、場所によって生息している菌の数や種類が同一口腔内なのに全く異なります。
いずれにせよ、自分が口にしたものが細菌の餌になっているわけですから、飲み物食べ物の種類や摂取の仕方を工夫することで細菌の繁殖スピードをコントロールすること。飲み物食べ物摂ったらそのまま口内を放置しない。
ダラダラ飲み食いを続けないなど工夫をすることも大事です。
砂糖や酸性の食べ物を控え、バランスの取れた食生活を心がけることで、口腔内の細菌が増殖しにくい環境を作ることにつながります。

また、緑黄色野菜やビタミンCを多く含む食品を摂取することで、歯周組織の質を良くすることにつながり、歯周病の予防にもつながります。

 

ステップ6. ストレス管理と禁煙

   – ストレスや喫煙は、免疫力を低下させ、歯周病の進行を加速させる原因となります。
適度な運動やリラクゼーション法や趣味の多様化などを取り入れ自分がご機嫌になることが重要です。
喫煙は一時的なストレス解消暇つぶしにはなるのかもしれませんが、体は悲鳴をあげています。
また、周囲の人にとっては副流煙も喫煙者の口臭、体臭が健康を害する『毒ガス』となっています。

禁煙を実践することで、口腔内の健康のみならず、自分自身のみならず関わる人の心身の健康を育むことになります。
歯周病や虫歯は感染症なので自分自身はもちろんですが、家族の健康へ影響への配慮ともなるわけですね。
『愛があるなら禁煙せよ!』ですね。

 

<まとめ>

歯周病と口臭は、正しい知識と適切なケアを行うことで改善することが可能です。
LPSやバイオフィルムに対する理解を深め、定期的な歯科受診と効果的なホームケアを続けることで、健康的な口腔環境を維持しましょう。
また、生活習慣の見直しやストレス管理も、長期的な口腔健康の維持に欠かせません。
今からできることを一つずつ実践し、健康的な口腔環境を手に入れましょう。

デンタルサロン銀座のカウンセリングはオンラインでも可能です。

 

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