失敗しないために必要な検査、費用、協力を…

失敗しないために必要な検査、費用、協力を惜しまないこと

2023年3月13日

マウスピース矯正は、必ずシミュレーション作成が必要だと思ってください。
作成したシミュレーションを事前に確認することが大切です。
もし、事前にシミュレーションが確認できないマウスピース矯正ならやらない方が無難です。
予定通りの歯並びを獲得するためには道具の設計が必要です。
ワイヤーもマウスピースもはを動かすための道具です。
それをどう作るかは担当した歯科医師のセンスと責任感次第です。
事前に作成するシミュレーションは見える化するために役立ちます。
マウスピース型のアライナー矯正の場合、患者さん本人のコンプライアンスが非常に重要になってきます。
設計と同時に入念な患者教育も必要になりますし、自分の体は自分で守り管理することが大切です。
過剰なお客様意識はその妨げになることも。

シミュレーションが見えないことは設計図がない建築物やプラモデルが存在しないことと同じです。
ゴール設定が不明確だと最終的に迷子になってしまいます。

シミュレーションは、スキャンデータと口腔内写真、顔貌写真を総合的に判断して作成します。
特に写真は重要です。３つの正中線の確認をするためにさまざまな角度から撮影します。

＜３つの正中線＞

●顔面の正中（センター）
●上顎中切歯の正中
●下顎中切歯の正中

３つ全てが揃うというのは少し難しいこともありますが、顔面の正中と上顎の正中は揃えたいですね。
◆骨格の問題
◆歯の数の問題
◆歯のサイズの問題

上記のいずれかがあると３つのセンターは揃わないです。
（注：歯の数に左右差がある場合は、歯列矯正にセラミッククラウンを用いたブリッジを設計に組み込むことである程度揃えることができる場合もあります。）

写真は首や身体が傾いていると、異なった方向に見えてしまいます。
例えば顔のセンターに対して上顎のセンターが実際には右にずれていても、首や骨盤などに歪みがあって左回転が加わっていると上顎のセンターが顔面のセンターに対して左にずれているように見えます。

当院では、矯正治療を開始する前に整体院の受診をお願いする場合があります。
ゴール設定をする際に体の歪みを補正することが重要だからです。

整体では自分で修正できない筋肉の緊張や骨格のずれを補正することが目的で、
その原因になる生活習慣の改善はご自身で行っていただく必要があります。

姿勢が悪いと呼吸や消化の働きが低下します。
下顎が後退し、臼歯の過剰なすり減りや破折、咬合高径の減少（上下顎の距離が近くなりすぎる状態）に伴い
前歯の突き上げが生じてきます。
誤嚥が生じやすく咀嚼効率が悪くなります。
さらに歪みが大きいと、脳血流、酸素、ビタミン、ミネラルの不足、視野の狭窄、頭痛などが生じます。
それが原因で心も歪んでしまいがちです。

筋力不足、骨質の低下、皮膚や粘膜の非弱化、肥満、ネガティブマインドが形成されがちです。
自分で行っていただく要素が多いマウスピース矯正の治療成績も当然低下します。

写真やレントゲンを正確に撮影することは、患者さんの協力が最も重要です。
本当は右に2mm移動させなければいけない上顎中切歯を左へ2mm移動する設計にしないためにも
体の歪みは歯列矯正開始前に最小限にしておきたいものです。

担当させていただいた女性の患者さんは皆さま治療開始前よりもとても美しくなられます。

食事を考えて取るようになった
無駄なものを飲んだり食べたりしなくなった
身体が軽くなって気持ちも明るくなった
無駄な脂贅肉が減ってメイクや洋服選びが楽しくなった
などなど
開始前は特にお相手もいなかったのに、意図せずご結婚となられた方も少なくありません。
既婚の方は妊娠出産となられるケースも。その場合安心して継続していただいております。

事前にご本人のご要望やスケージュール、費用面などを考慮したシミュレーションを作成しご提案いたします。
メリット、デメリットも併せてご説明いたします。

当院のインビザラインシミュレーションをフル活用されご契約に至ったケースを紹介します。
①インビザラインGo（部分矯正）
②インビザラインモデレート（全体矯正）
③インビザラインコンプリヘンシブパッケージ（全体矯正）
①〜③は全てインビザライン社の製品ですが、①は小臼歯まで動かせる部分矯正、②③は大臼歯まで動かせる全体矯正です。
①と②はセミカスタマイズです。担当歯科医師の治療方針を部分的に取りいれることが可能ですが、歯の移動に対して速度制限があるため移動の範囲が制限されるセミカスタマイズプランです。③は担当歯科医師の治療方針の全てを治療計画に組み込むことができるフルカスタマイズプランです。
多くのアライナー矯正装置が後発メーカーより発売されていますが、自由度の高いカスタマイズが可能なアライナー矯正は
インビザライン社の製品のみです。インビザラインに限らず主治医によっても治療計画は異なってきます。

どのメーカーも実際の部分矯正にかかる費用の目安は40万円前後で、
全体矯正にかかる費用の目安は7５〜100万円前後となります。
ステージ数＝枚数、７〜１０日毎にマウスピースを交換（１ステージ進む）、１〜２ヶ月毎に通院という流れです。

＜インビザラインGOで作成した治療計画＞
ステージ数16

主に側方拡大とIPRで移動させています。移動範囲は小臼歯〜小臼歯までです。一旦左右上顎中切歯（左右１番）を唇側へフレアさせ、舌側転移した左右上顎側切歯（左右２番）が唇側への移動が完了した後、再度左右中切歯を舌側へ移動させています。
このケースはもともと中切歯に唇側傾斜があり骨もそこまで厚くありません。雑に拡大をおこなうと歯根が露出してしまう可能性があります。過剰な拡大は避けたいケースです。移動範囲の限られた部分矯正で行う場合は特に細心の注意をはらい、定期的な経過観察をし、歯根の露出が生じないかしっかり確認し適宜フォロー必要があります。毎回異なるドクターが担当する、実際に口腔内を直視していないなどは正確な経過観察は難しいと言えますね。

＜インビザラインモデレートで作成した納品直後の治療計画＞

修正前
ステージ数２６
主にアーチの側方拡大で並べています。IPRや上顎中切歯の唇側傾斜は行われていませんので中切歯の歯根の露出の心配はないです。しかし、小臼歯〜大臼歯の側方拡大が目立ち、遠心移動はほぼ組み込まれていないので、側方拡大時に生じやすい小臼歯部の歯根の露出に注意が必要です。

＜インビザラインモデレート治療計画修正後＞
修正後
ステージ数１５
IPRを追加し、ステージ数を１０減らしました。しかし、側方拡大はある程度必要なままです。下顎前歯の舌側傾斜も強く歯根の向きに注意が必要です。

 

＜インビザラインコンプリヘンシブパッケージ納品直後の治療計画＞
　ステージ数３６

上顎犬歯の唇側への移動量が多いのが気になります。側方セファロ（レントゲン）から読み取れる情報として、
大臼歯後方にスペースが多くあります。そのスペースを有効活用した遠心移動を組み込む計画の方が歯槽骨から歯根が露出してしまうリスクを避けることができます。

＜インビザラインコンプリヘンシブパッケージ修正後の治療計画＞
ステージ数３９

主に上顎２番のクロスバイトが深い左側（向かって右）に片側遠心移動を組み込むことで、歯根の露出を回避できる無理のない治療計画を作成することができました。ステージ数はその分増えてはいますが、IPR量は大幅に軽減されています。このケースの骨格パターンはごく軽度の３級傾向でした。（１級はノーマル、２級は上顎前突≒出っ歯、３級は下顎前突≒受け口）
前歯の前後的な位置関係オーバージェット（OJ）と、
垂直的な位置関係オーバーバイト（OB）はやや少なめに設計した方が良いと言えます。

実際の歯の移動終了時は、シミュレーションよりもOJ,OBともに多めになることが多いです。
このケースは、当院のHPから初回無料カウンセリングでご予約され、レントゲン検査とシミュレーションをオーダーされ、
費用の異なる３つのプランのシミュレーション作成を希望され、最終的にインビザラインコンプリヘンシブパッケージ修正後の計画を選択されました。
余談ですが、アイキャッチ画像のレントゲンは頭部規格写真、側方セファログラムです。
どんなレントゲンでも撮影前にピアス、ネックレス、ヘアアクセサリー類は外しておきましょう。
このように画像の一部が金属で隠れて見えなくなります。

事前に確認できるシミュレーションにしっかり費用を投じることによって最適な治療計画を選ぶことができます。
また、リスクもしっかり理解した上で治療メリットがあるならば後発メーカーのマウスピースを選択することも有効だと言えます。いずれにしても予算が少ないと良い治療はできないと思います。前歯のみの部分矯正でできるケースはかなり少ないです。最低でも第２小臼歯まで動かす計画にすることは念頭に入れておきましょう。
なんらかの理由で動かさない、動かせない場合はセラミック治療の適応です。
ちなみに一般的なワイヤー矯正専門クリニックですと、
初診カウンセリング⇨検査⇨診査診断費用⇨診断模型作成（シミュレーション動画なし）
上記でかかる日数は約1.5~2ヶ月、費用は10~15万円です。
線分析、角度分析などレントゲン規格写真から治療計画を作成するのはそもそも国家資格と専門知識が必要なのです。
各メーカーのサイトからご予約いただく患者さんの傾向としてよく見られるのが数千円の無料同然の費用でなんでもできると思って受診されていることです。実際の歯の状態に対する費用面での期待が大きく現実離れしています。
少し保険外診療に対する金銭感覚を見直したほうが良いと言えます。昔は矯正費用は200〜300万円していたそうです。治療期間も５〜10年ととても長いものでした。そういう歴史を理解した上でご来院いただけると良いのですが。。
各メーカー経由で有料検査を予約し、たった数万円の治療計画を作成しないで帰宅することは、
数千円の有料カウンセリングでクリニックへ来院する意味はほぼないに等しいです。
それならば、一度当院のサイト内の初回の無料カウンセリングで相談した後に必要だと感じれば有料検査を受ける流れの方が良いと思います。
デンタルサロンナチュール銀座は
歯科衛生士ではなく
歯科医師が行うプロフェッショナルクリーニングやホワイトニングをはじめ、虫歯治療、各種メタルフリー治療を積極的に行っております。特に根管治療においては、根管治療専門医の先生と連携し再発リスクが少ない状態でセラミックの歯を提供しております。
保険診療では通院回数が多く、歯茎の奥に潜む放置された縁下歯石の取り残し、ほとんど触られていない状態で定期メンテナンスと称した３〜６ヶ月毎の定期通院が行われていることがあります。縁下歯石をしっかり取り除くためには器具のメンテナンスや費用がかなり多くかかります。歯石を取るための超音波チップが消耗したまま使用すると細かい汚れは取ることができません。
治療の質を落とさないよう、取り扱い製品や価格を随時見直しております。
デンタルサロンナチュール銀座は自由診療専門、完全予約制です。
口元の悩みがある方は一度相談にいらしてみてはいかがでしょうか？
ご予約はこちらからhttps://clinics-app.com/dental/93bb0c90-1881-4b02-b218-875d6d072de5/exclusive_reservation