歯周病治療

喫煙は、ニコチンや有害物質の影響で血流を悪化させるだけでなく、歯周ポケットや粘膜内に真菌や多種の細菌からなる強固なバイオフィルムの繁殖を許します。
歯周病や虫歯は「生活習慣病」であり、当院の治療効果を最大限にするためには、禁煙を含む自宅でのケアと生活習慣の改善が必須となります。

歯垢や歯石の除去は重要ですが、それだけでは歯肉内に根を張った菌やバイオフィルム、真菌には対処できません。
歯周病は細菌感染と宿主の健康状態が主な原因ですので、それに対する科学的なアプローチが重要です。
治療しても再発してしまう方は、この両方もしくはどちらか一つに問題がある可能性があります。

 

歯周病と似た症状の一つに「咬合性外傷」というものがあります。しかし、治療法が異なるため、初期段階で正確な診断を行うことが必要です。

歯周組織検査を行い、歯周病の進行度合いを確認します。
歯周組織検査とは、歯周ポケットの深さや歯の動揺度、出血の有無を確認します。
舌のポジションや姿勢の改善が必要な場合もあります。

レントゲンを使用して顎の骨の状態を確認し、歯周病による骨の溶解の状態を把握します。

デジタル一眼レフカメラを使用し、鮮明な画像を再得することでお口の状態を詳細に記録し可視化します。

歯茎の炎症や虫歯の状態、既存の修復物のコンディション、磨き残し、噛み合わせ、歯並び、治療後の変化などを評価します。

「位相差顕微鏡」はお口の中の細菌を生きたままの状態で確認できる特殊な顕微鏡です。そのため、正確な歯周病の状態が把握でき、治療後の経過観察も綿密に行うことができます。

唾液検査を行なうことで、虫歯原因菌の検出はもちろんのこと、唾液緩衝能、安静時唾液分泌量、活動時唾液分泌量、患者さん「固有の情報」が得られます。簡易的な歯周病・虫歯リスクの程度が分かります。リスクとはある有害なことが起こる確率のことです。この結果により、ご自身の歯を守るための一歩進んだ予防と治療が可能となります。

リアルタイムPCR検査（微生物の遺伝子検査）を行って、病原菌の有無、種類、および菌数を精密に把握します。

【総菌数の重要性】
総菌数を知ることは、現状の感染状態の把握に極めて重要です。総菌数は菌の数と比例して菌の種類も増加することを示唆しており、バイオフィルム感染症である歯周病の病状コントロールを行う上で重要な指標となります。

具体的には、総菌数、レッドコンプレックス（特に重度の歯周病に深く関わる3種類の悪玉菌の総称）の有無と総菌数に対する比率、T.d菌を含めたトレポネーマ属（らせん状菌と呼ばれ、梅毒の原因菌やピロリ菌もこの仲間である。悪性度の高い菌が多い）の有無と量、そして、F.n菌（Fusobacterium nucleatum）の有無と数などを調べます。
F.n菌は、近年、大腸癌をはじめとする各種癌との関連性を示唆する研究論文が多いことから、その正確な検出が極めて重要となります。この詳細な情報に基づいて、患者様ごとのリスクに応じたオーダーメイド予防/治療プログラムを作成していきます。

アジスロマイシン（抗菌薬）：
炎症部位への集積や、細菌同士の情報伝達を阻害する作用（クオラムセンシング阻害）により、バイオフィルムの破壊と炎症の抑制を目的とします。
（長期間効果を発揮するため、少ない投与回数で済む利点があります。）
白血球によりへ炎症部位へ運ばれる＝ファゴサイトデリバリーが特徴です。そのため血液中の白血球数が少ないと効果が出にくいことがあります。

その他の薬剤：
検出された病原体（真菌、原虫など）に特化した薬剤を用いることで、歯周病の治療効果を最大化し、難治性のケースにも対応します。

P-MAXは外部注水式超音波スケーラーです。ユニット内の水回路が不衛生になりがちなのは有名な話。ユニットに保続している内部注水式の超音波スケーラーの水では根管治療を行うのは推奨されていません。
外部注水式のP -MAXは、常に清潔な状態の水タンクに清潔な水道水、洗口液、殺菌水などを入れることが可能です。先端から噴き出す水が「歯周ポケット」に入り込み、ポケットを洗い流すことができます。また、高濃度エピオスウォーターを入れてクリーニングや根管治療をすることも可能です。

お口の細菌を殺菌するために「殺菌水」を利用。タンパク質を分解することで目に見えないバイオフィルムを破壊、歯周病菌が歯肉の傷口から全身に侵入することも期待できます。

専用マウスピースに除菌剤を入れ、一定時間装着することで、歯茎の組織に染み込んだ歯周病菌を効果的に除菌します。

エリスリトールは一部の歯周病菌と一部の虫歯菌に対し有効です。
エリスリトールで出来た「超微粒子パウダー」を吹き付け、歯の表面のバイオフィルムや歯周ポケット内の歯肉縁下歯質の薄い歯石や歯垢、バイオフィルムを除去します。歯の表面や歯根、歯茎を傷つけることなく、バイオフィルム（細菌の塊）を取り除くことが 可能です。

プロバイオティクスとは人間の体の微生物を利用した、体質改善や病気予防に効果的な治療法です。「歯周病」にも効果的で、口腔内の善玉菌/悪玉菌のバランスを整えて歯周病予防を行います。

当院では「高濃度ビタミンC点滴」治療を行っています。
ビタミンCは抗酸化作用が強いです。
そのため疲労回復、免疫力アップ、風邪などの感染予防等、肌荒れ、睡眠の質の改善等、全身の健康に関わる様々な効果があります。歯科においては、歯周病予防、歯肉粘膜組織の強化、インプラント等の外科処置後の治療促進等が期待できます。

・糖尿病
・アルツハイマー病
・脳卒中
・狭心症
・心筋梗塞など

あなたの前身の健康を守るためにも、もう一度歯周病に取り組むことをおすすめします。