グルコース−6リン酸脱水素酵素(glucoses−6phosphate dehydrogenase 以下G6PDと略)欠乏症は1956年アメリカでCarsonらによって発見された伴性劣勢遺伝疾患で、赤血球酵素異常症です。G6PD欠乏症は普段無症状のことが多く特定の薬剤や食品の摂取によってヘモグロビン尿を伴う溶血発作を起こす。腎尿細管にヘモグロビンが沈着して急性腎不全を起こすこともある。日本においては過去の研究上のデータでは0.5%となっているものの、近年の海外からの流入人口から考えると増えていることは容易に想像可能です。X染色体上の伴性劣勢遺伝のため、男性に多いとされているものの、G6PD欠損症患者の10%は女性です。
◆G6PD欠乏症において臨床的に溶血性貧血を起こす薬剤
抗マラリア剤
プリマキン、パマキン、ペンタキン
サルファ剤
スルファニルアミド、スルファセタミド、スルファピリジン、ニトロフラン、フラダンチン
解熱剤
アセトアニリド
◆慢性溶血のないG6PD欠乏症に常用量なら使用できる薬剤
抗マラリア剤
クロロキン、キニーネ、ピリメタミン、
サルファ剤
スルファダイアジン、スルファグアニジン、スルファメラジン、スルフイソキサゾール
解熱鎮痛剤
アセトアミノフェン、フェナセチン、アミノピリン
抗生物質
クロラムフェニコール、ストレプトマイシン、トリメトプリム、イソニアジド
抗不整脈剤
キニジン、塩酸プロカインアミド
その他
ビタミンC、ビタミンK、プロベネシド、コルヒチン
上記内容は注意が必要な薬剤ですが、クロロキンなどはCOVID-19の治療にも使用されることがあります。
いずれにしてもG6PD検査は大切です。
※G6PD欠乏症で慢性溶血がないケースにおいては、12.5gまでのビタミンCでの点滴は可能です。
通常のサプリメントの使用なども問題はありません。
過去に検査済みであっても他院で検査済みの結果表を御持参いただいていない場合、事前にG6PD検査は受けていただきます。